アーサーペディア
アーサー王大百科

円卓

概要

上座下座の争いをなくすべくアーサーは円形のテーブルに騎士たちを座らせた。このテーブルはもともとウーゼルのものであったが、次いでカメリアードのレオデグランス王の所有となり、王の娘がアーサーに嫁ぐにおよんで、アーサーのものとなったのである。テーブルの形状は、円盤、輪形(リング)、半円、一部欠けたリング型など、さまざまの説がある。アーサーは騎士たちとは離れた別のテーブルに座したのであろう。

逸話

円卓」のことに初めて触れたのはワースである。ワースは騎士たちが輪の内側に座ったと述べている。ロベールによれば、円卓には50名座ることができた。それが「流布本」版では250名、ラヤモンでは1,600名とされている。

円卓」はアーサー王物語にのみ登場するわけではない。アウレリウス・カシオドルスは、東ゴート王セオドリックが円卓をもっていたと述べているし、『ディートリヒ物語』でも、皇帝(ツアー)カルテウスの円卓のことが言及されている。ウィンチェスター城の「円卓」は今日まで残っているが、これこそ本物の「円卓」だとする(マロリーの『アーサー王の死』序文に述べられた)カクストンの意見は、とうてい支持できるものではない。中世にあっては、アーサーの「円卓」を模した円いテーブルが数多く製作された。ケニルワース城のロジャー・ディ・モーティマーしかり、ウィンザー城のエドワード3世しかりで、後者などは直径が200フィートもあった。

図説アーサー王伝説事典

索引

協力

  • 原書房
  • 東京大学大学院
    総合文化研究科 教授
    山本史郎